健康管理

乳酸菌とは?種類や働きをちゃんと解説

  • 「乳酸菌」と聞くと健康に良いイメージを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。乳酸菌は、スッキリをサポートするために欠かすことのできない細菌です。スッキリ以外にも、健康維持の有用なことが確認されています。

    乳酸菌の有用性を高めるためには、食品やサプリメントで継続的に摂取することが大切。こちらでは、乳酸菌の種類や働きについて詳しく解説していきます。

  • 宮崎郁子

    東京医科大学医学部医学科卒業後、東京医科大学病院 消化器内科、東京医科大学病院 内視鏡センター助教、牧野記念病院 内科を経て、2015年より東京国際クリニック/医科 副院長を務める。

  • 乳酸菌とは、腸内細菌のひとつ。腸内細菌とは?

    乳酸菌は、主に小腸に生息する腸内細菌のひとつです。炭水化物などの糖から乳酸を作り出す微生物を指します。乳酸菌の主な働きは、腸内の善玉菌をサポートし、腸内環境バランスを整えることです。人体に対して有益に働く善玉菌の代表格とも呼ばれています。

    腸内細菌は、「善玉菌」と「悪玉菌」に加え、そのどちらにも該当しない「日和見菌」によって構成されています。その数はおよそ100兆個とされ、約1,000種類もの腸内細菌が存在するといわれているのです。

    腸内菌は「健康の要」、「第2の脳」とも呼ばれる臓器であるのはご存じでしょうか。まずは、腸内細菌を構成する3つの菌とその役割に着目してみましょう。

    私たちの健康に密接に関わる「腸内細菌」

    腸内細菌の数は、一生を通してほとんど変わることがありません。腸内でもっとも多いとわれている菌は「日和見菌」であり、次いで「善玉菌」、「悪玉菌」と続きます。

    それぞれの理想的なバランスは、「日和見菌:善玉菌:悪玉菌=7:2:1」とされています。健康を維持するためには、3つの菌がバランスを保ちながら腸内に生息することが重要なのです。腸内細菌のバランスを整えることは、体の内側から健康を取り戻す「菌活」へとつながります。

    善玉菌は、健康に欠かせない細菌類ですが、悪玉菌は体に悪い影響を及ぼします。日和見菌は、どちらか優勢な菌に味方をする菌なので、善玉菌を優位にしておくことが大切と言えます。

    バランスが崩れやすい現代人の腸内細菌

    腸内細菌は、加齢や生活習慣の影響を受けるとバランスを崩してしまいます。実際に、健康に問題がある方の腸内細菌は、健康な人と比べて変化が起きていることが確認されているのです。

    腸内細菌のバランスを崩す要因となるのが「食生活」。脂質や動物性のタンパク質を含む肉中心の食生活は、悪玉菌を増殖させてしまいます。さらに、バランスを崩してしまうのが「加齢」です。老齢期に入ると善玉菌であるビフィズス菌は減少し、悪玉菌であるウェルシュ菌が増加する傾向にあるといわれています。

    また、現代人と切り離せないのがストレスです。脳と腸には、密接な関係があります。緊張したときに感じる腹痛は、ストレスを感じた脳が自律神経を通して腸に影響を与えることから起こるものです。疲労や寝不足が重なってストレスが蓄積されると、腸内の細菌バランスが悪化する原因となります。

  • 乳酸菌には動物性と植物性があり、どちらも大事

    善玉菌のひとつである乳酸菌には、「動物性」と「植物性」があります。健康のためには、どちらもバランスよく摂取することが大切です。

    動物性乳酸菌

    ヨーグルトやチーズなどに含まれる動物性乳酸菌は、牛や山羊、羊の乳から生まれる乳酸菌です。動物性乳酸菌は低温では育たないため、30~35℃の環境下で発酵させる必要があります。

    一定の温度下で発酵させたヨーグルトには、動物性乳酸菌とともにビフィズス菌も多数存在しています。さらに、栄養豊富な動物の乳から生まれる動物性乳酸菌には、乳酸菌以外の栄養素を多く含むのが特徴です。

    その代表格には、良質なタンパク質やカルシウムが挙げられます。いつもの食事にプラスすることで、乳酸菌とともにそのほかの栄養素を手軽に摂取できるのがうれしいですね。

    植物性乳酸菌

    植物性乳酸菌は、植物を素材とする発酵食品に存在する乳酸菌です。原料となる食物は、野菜や豆、米や麦など。特に、日本では古来から伝わる醤油や味噌、漬物といった発酵食品に植物性乳酸菌が多く存在しています。

    植物性乳酸菌の特徴は、動物性乳酸菌に比べて栄養が不足した環境下でも生息できることです。それぞれの調味料が寒い環境下で備蓄されることを考えると、乳酸菌の特徴もイメージしやすいのではないでしょうか。

    厳しい条件下で生まれる植物性乳酸菌は、生きた状態で腸まで届き、腸内で善玉菌をサポートし、健康維持に有用であるといわれています。

  • 毎日食べたい、乳酸菌を多く含む食品

    健康と深い関わりのある乳酸菌を毎日の食事で上手に摂取していきたいですよね。乳酸菌は、以下のような食品に多く含まれています。

    ヨーグルト

    ヨーグルトは、牛乳に含まれる乳糖を乳酸菌が分解することでできあがります。ヨーグルト製造に必要な乳酸菌は、ブルガリア菌やサーモフィルス菌、ガゼリ菌など。腸内菌をサポートしたり、健康維持に有用です。

    チーズ

    チーズは、牛乳や山羊、羊などの乳を乳酸菌や酵素の働きで凝固・発酵させたものです。用いる菌や熟成期間によって、さまざまな味わいのチーズが生まれます。ナチュラルチーズに含まれる乳酸菌の量は、1gあたりおよそ1,000万個ともいわれています。さらに、良質なタンパク質やカルシウムを豊富に含んでいるのです。

    キムチ

    野菜を唐辛子とともに塩漬けにし、乳酸菌発酵させた食品がキムチです。キムチの酸味や旨味は、乳酸菌の発酵によって生まれています。韓国本来のキムチは、魚介の塩辛が発酵することでさらなる濃醇な旨味と酸味を生み出しています。乳酸菌のスッキリ作用とともに、唐辛子に含まれるカプサイシンの健康維持作用も期待できるでしょう。

    ぬか漬け

    日本古来の漬物「ぬか漬け」は、熟成にともなって乳酸菌が形成される食品です。乳酸菌はぬか漬けの酸味や旨味となるだけではなく、保存性を高める役割も担っています。漬物由来の乳酸菌には、腸内細菌バランスを維持する働きが確認されているのです。

    味噌

    乳酸菌は、麹菌や酵母菌とともに味噌づくりに欠かせない菌です。乳酸やアルコールといった風味成分を生み出し、味噌の色や香りを向上させます。大豆を主成分とする味噌は、タンパク質やビタミン、ミネラルなどをバランスよく含む食品です。

    日本酒

    日本酒を作るためには、そのもととなる「酒母」を培養する必要があります。酒母を酸性にするために用いられるのが乳酸です。酒母を培養する方法は、液体状の乳酸を添加する方法と、自然の乳酸菌を育成する方法とに分かれます。生酛系酒母と呼ばれる乳酸菌を育成する方法では、酸度が高くて芳醇な味わいの日本酒ができあがります。

    乳酸菌を食品から摂取するときのポイント

    乳酸菌は体内に一定の期間とどまるものの、いずれは体外に排出されてしまいます。そのため、毎日こつこつと継続して補充しなくてはいけません。その際は、塩分や脂肪分を摂りすぎてしまわないようするのがポイントです。特に、ヨーグルトやチーズは脂肪分が豊富であるため、1日の摂取量には注意しましょう。

    また、善玉菌の栄養分となる食品と一緒に摂取すれば有用性はさらにアップ。腸内に取り入れた乳酸菌を効率よくサポートすることができます。

    乳酸菌の栄養源「プレバイオティクス」

    「プレバイオティクス」とは、乳酸菌をはじめとする善玉菌を助ける作用のある成分です。プレバイオティクスが認められる食品成分は食物繊維やオリゴ糖などで、これらは乳酸菌の栄養源となって腸内の善玉菌をサポートします。

    食物繊維を多く含む食品は、ゴボウやニンジンといった野菜類のほか、納豆のような豆類や海藻やきのこ類です。バナナや大豆には、オリゴ糖が多く含まれています。これらを意識的に摂取することで、腸内菌をさらにサポートすることができるのです。

  • 乳酸菌不足を手軽に補える「乳酸菌飲料」「乳酸菌サプリ」

    乳酸菌を摂取するには、バランスの良い食生活が大切だとお伝えしました。しかし、忙しい毎日のなかでは乳酸菌を十分に摂取するのは難しい場合も多いかもしれません。そんなときは、乳酸菌不足を補う方法として「乳酸菌飲料」や「乳酸菌アプリ」を活用しましょう。普段の食事と合わせれば、効率よく腸内菌をサポートすることができます。

    乳酸菌飲料

    乳酸菌飲料は、発酵させた牛乳に甘味料や香料、果汁などを加えた飲料です。コンビニエンスストアやスーパーなどで見かけることも多いかもしれません。乳酸菌飲料は、無脂乳固形分の量や乳酸菌の数により「乳製品乳酸菌飲料」と「乳酸菌飲料」に分類されます。

    「乳製品乳酸菌飲料」は、牛乳から乳脂肪分と水分を除いた成分を3%以上含むものです。乳酸菌や酵母の数は、1mlあたり1,000万個以上と定められています。発酵後に加熱殺菌したものは、長期保存が可能で希釈して飲めるのも特徴です。

    一方の「乳酸菌飲料」は酸味や甘みのないタイプ。1mlあたりの乳酸菌は100万個以上です。牛乳に乳酸菌やビフィズス菌を加えて製造しており、高い有用性を期待することができます。

    乳酸菌サプリ

    効率的に適量の乳酸菌を摂取できるのが「乳酸菌サプリ」です。粒に顆粒、カプセルにタブレットなど、さまざまな形状のサプリが開発されています。1日分の摂取量が記載されているため、毎日どのくらいの乳酸菌を摂取しているのかが分かりやすいこともメリットであるといえるでしょう。

    サプリメントは、開発する企業によって摂取量や価格帯などが異なります。含有される乳酸菌量も、商品によって違いがあるでしょう。そのため、自分に合ったものを比較検討した上で購入する必要があります。

    腸内に定着する善玉菌「ニュートリプロバイオ」

    「ニュートリプロバイオ」は、5種類の乳酸菌やビフィズス菌を配合したサプリメントです。最大の特徴は、善玉菌が腸内にとどまって定着する性質を持つ乳酸菌を配合したことです。腸に届いた善玉菌は発酵しながら増殖していきます。

    善玉菌が増加することで、腸内細菌のバランスはより良好になるでしょう。体の内側から健康と美容をサポートすることが期待されています。1本(1.5g)あたりに含まれる善玉菌は63億個ともされており、1日1本が目安となるため手軽に乳酸菌を摂取することが可能です。

    さらに、「ニュートリプロバイオプラス」は菌活に着目したサプリメントです。1本あたりの善玉菌は100億個で、体内の細菌バランスに着目し、厳選した乳酸菌とビフィズス菌が配合されています。

  • 乳酸菌を摂取して腸内菌をサポートしよう

    乳酸菌は、健康に大きく関係する善玉菌の一種です。腸内で善玉菌をサポートし、細菌バランスを整えます。効率よく乳酸菌を摂取するためには、日々の食事に加えて乳酸菌飲料やサプリメントを活用することもおすすめです。ぜひ自分に合った方法を見つけ、腸内の善玉菌をサポートしていきましょう。